令和元年度 第2回「大志連区自主防災リーダー会」全体会   ご挨拶  大志連区自主防災リーダー会   会長 佐藤 潤  2019/8/4

 大志連区での現在につながる防災への取組みは、さかのぼること28年当時、地域づくり協議会設立準備と足並みをそろえるかのように始まりました。

 そして29,30年度と二度の防災訓練を計画・実施する過程で、少しずつ着実に、防災への意識やノウハウ、そして何より必要な組織づくりを、深めてまいりました。

 最初の防災訓練を計画するに当たり、一番大切だと考えたのは、地域のつながりでした。これを私たちは第1回防災訓練で、「ご近所力」と命名し、今でも変わらないキーワードとなっています。

 一宮でほぼ最少の人口5,000人、2,000世帯の大志連区なら、どこよりも地域がまとまり、ご近所力を発揮できる可能性が大きいと考えました。ならば、防災訓練をすべて消防署にお任せしてしまう形ではなく、大志自らの手で進行運営していくべきとの結論となり、1回目、2回目、そして今年度これから計画する3回目にも受け継がれてきています。

 防災ミーティングと称して、名前と顔の見える中で話をしましょう、その話し合いを大志の中から募ったリーダーで進めましょう、それによって大志を守るために大志を知り、大志を守ることに協力いただけるリーダーを集めていこう、そんな流れになったと振り返ります。

 二度の防災訓練通じて進行役をしていただいた方を中心に、昨年30年度、自主防災リーダー会が組織され、防災訓練の運営進行からステップアップして、訓練ではなく、実際の災害発生時に何ができるか、何をまずしなければならないか?を考える段階へとたどり着きます。答えは簡単で、防災ミーティングでのアンケート集約結果の中にありました。大志の多く方々が心配している項目に避難所運営があったのです。

 二度の防災訓練通じて、組織づくりがなされ、組織として取り組むべき課題が見つかり、現在の避難所運営マニュアルづくりが始まりました。

 まずは、たたき台をお示しするため、平成30年度後半の数ヶ月をかけて、リーダー会役員により、大志連区における避難所運営マニュアルの第1版を完成させました。

 そして、令和元年5月に行われました前回の第1回自主防災リーダー会全体会にて、リーダー会メンバー全員の皆様に、そのマニュアル第1版と、それぞれ担当いただく部署をお示しし、大志独自の避難所運営マニュアルを各担当部署に分かれて検討していくこととなり、今回の第2回全体会につながってまいりました。

 マニュアルの検討を重ねながら、しみじみ感じるのは、やはり訓練当初からのキーワードとなっている「ご近所力」の重要性です。避難所運営をより合理的にと考えれば考える程、町内会、さらにその下位に位置する組や班が、連区とつながっていることが必要不可欠であることを痛感させられるのです。

 各人各世帯が思い思いで避難所に押し寄せたら、端からパニックになるのは目に見えています。各町内各地域で見守り助け合い、さらに情報も集約しながら、連区へ、そして避難所へつなげるような体制づくりが必要不可欠なのです。

 こうした体制づくりは、当然この先目指していかなければならないと考えます。しかし、現段階でそこまでを求めていると避難所運営の体制ができるのに数年単位の時間を要することとなってしまいます。

 従って、現在取り組んでいただいているマニュアル作りでは、とにかく、まずは、来年大災害が発生した時に、やれる範囲のマニュアルにしてくださいと、皆様に申し上げています。できないこと、無理なことを知ること、そして連区の方々にもそれを知っていただくことも必要です。

 理想的かつ合理的ではないが、現実的で不合理ながらも、なんとか灯台のあかりだけは、灯してあるような大志独自の避難所運営マニュアルを、今は目指さなければならないと考えています。皆様のお力、お知恵を拝借しながら、作り上げていきたいと考えていますので、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 最後に、やはり毎回申し上げて恐縮ですが、お願いとなります。自主防災リーダー会の仲間をもっと増やしたいと考えています。リーダー会と看板を掲げていますが、一人一人がリーダーとならなければならないのではなく、一人一人は自分のできることを、できる範囲で継続して取り組んでいただくことで、会全体でリーダーシップを連区に対して発揮できればと考えています。連区を見守り、助け合う必要性を共有できる仲間であれば、どなたでもできると考えます。

 災害のみならず、超高齢化、貧困、虐待、引きこもり等々、より一層地域の力が求められる社会となってきています。さらにこの先、大志連区住民も他地区からの流入が今以上に活発化し、多様化することも予想され、より地域のまとまりが、困難ではあるが重要となってくるとも考えています。

 自主防災リーダー会の仲間の輪が、連区内で横につながり、さらに世代間でも縦につながり、将来的には災害対策にとどまらず、地域での弱者、困窮者を見守り、支援し、ひいては連区をけん引していけるような体制を構築していければと、個人的には考えているところです。